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人間の安全保障シンポジウム@早稲田大学

MDGs(国連ミレニアム開発目標)の達成期限まであと5年となり、先日、早稲田大学大隈講堂にて「人間の安全保障シンポジウム 人間の安全保障の過去・現在・未来〜MDGs達成を目指して」と題して、各分野での取り組みについて話し合われる機会がありました。

人間の安全保障といわれるとなかなかピンとこないで、まず核兵器に関する緊張が高まっていた時代や中東での紛争などを思い浮かべましたが、健康に暮らせるための衛生環境、安全な飲み水・食料や燃料などの資源へのアクセス、教育などの権利を遂行すること全てが安全保障として考えられています。

日本で当たり前のように、紛争の危険にさらされるわけでもなく、ある年齢に達したら男女ともに一定の教育を受けることができ、安定供給された水や電気の恩恵に授かっているとなかなか実感のない分野ですが、少し意識を向けてみたいと思って今回のシンポジウムに参加しました。

8つの目標のうち、保健の分野では「幼児死亡率の削減」「妊産婦の健康状態の改善」「HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病のまん延防止」が掲げられています。具体的には以下のような目標に取り組まれています。
「幼児死亡率の削減」:2015年までに5歳未満児の死亡率を3分の1に削減する。
「妊産婦の健康状態の改善」:2015年までに妊産婦死亡率を4分の1に削減させる。2015年までにリプロダクティブヘルス(性と生殖に関する健康)への普遍的アクセスを実現する。
「HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病のまん延防止」:2015年までにHIV/エイズのまん延を阻止し、その後減少させる。2010年までにHIV/エイズの治療への普遍的アクセスを実現させる。2015年までにマラリアおよびその他の主要な疾病のまん延を阻止し、その後減少させる。
*現状報告についてはこちら
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by saori_ishimaru | 2010-07-30 08:22 | Body&Mind

ネトル Urtica dioica

a0057830_452495.jpgユーカリのワンピースに引き続き、ネトルのスカーフを見つけました。

ネトルと言えば、童話「白鳥の王子様」の中で、お姫様が魔法で白鳥に変えられてしまったお兄さんたち(王子様たち)を助けるために、夜な夜な編んでいた繊維。植物のネトルを見たことがある方はご存知の通り、加工されていないと、表面をチクチクの腺毛覆っています。お姫様は王子様を助けたい一心で、手を傷だらけにしながら編んだわけです。

ハーブ関連の書籍を読むと、以前は加工したネトルを繊維として利用していた記載がありますが、実際の商品を見るのは初めてでした。少しごわごわしていましたが、使い込むとなじむ感じです。

見つけたのは、横浜中華街にあるアンティークショップ&カフェ・tef-tef。1階は、ネトルのスカーフだけでなく、オーナーのセレクトした天然素材の洋服やアクセサリーなども並んでいます。2階のカフェでは、チカさんの手づくりケーキもぜひ味わって帰ってください!
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by saori_ishimaru | 2010-07-24 10:48

ユーカリ Eucalytus

夏の日射しがまぶしい季節になりました。暑い日が続くので、さらっとしたリネンや麻を身につけることが多いのですが、最近、ユーカリのワンピースなるものを発見しました。
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コアラの好きなあのユーカリの樹皮からできた新植物繊維リヨセルからできたワンピースです。風合いはシルクのように柔らかだとか。何よりおしゃれ!購入を検討中です。

「リヨセルとは、計画植林されたユーカリの木を原料に作られている、エコロジカルな新天然繊維素材です。
・ユーカリの木はコアラの大好物としておなじみですが、成長が早いので耕地面積が少なくてすみ、(同量の綿布を作る場合に必要とされる綿畑の10分の1)、計画植林された樹を使用しているので自然環境に大きな負担をかけません。
・また綿の栽培のように大量の水を使わないことも環境との調和が図られているポイントです。
・原料となるユーカリ木材から糸に加工された繊維のため、最終的には自然へと還るやさしい素材です。
・縮みにくいので、家庭洗濯も可能。洗濯後もその風合いはかわりません。
・また、速乾性にすぐれ、夏はさらっとした感触が心地良く、冬は身体に馴染む風合いのため、暖かく感じられます。」(「くらしのたのしみ」サイトより転記)

雑貨スタイリストの麗奈さんが選んだオリジナル商品が揃ったオンラインショップ・「くらしのたのしみ」 を併せてどうぞ!他にも、ハーブティーや、オーガニックコットン・シルクの着心地のよい下着から、アクセサリー、インテリアまで暮らしを彩ってくれる商品が満載です。
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by saori_ishimaru | 2010-07-22 22:02 | Herbs

レモンバーベナ

a0057830_2104568.jpg今年の収穫物、その1。すっきりと香りの高いレモンバーベナLippia citriodorataです。収穫したては、ことに香りがいい。

お花が咲く前のタイミングで枝ごと収穫して、ぱりぱりになるまで乾燥させたものを枝から外して瓶に詰めました。乾燥させると、写真のように長細い葉は内側に巻いてきます。

「昔の女性は、集まってはおしゃべりに花を咲かせながら、手仕事でこういった作業をしていたのよ」と英国にいた時にハーブのことを教えてくれた方がおっしゃっていたのを思い出し、友人を誘って瓶詰め作業をしました。

来年の夏までに自分が必要な分を残し、後はハーブティーの好きなお友達や普段ハーブティーを飲まないという方にお裾分けしました。レモンバーベナは、ハーブティーは何となく飲んだことがなくてという方にも、香りも口当たりもよく飲みやすいと言っていただけるハーブのひとつです。これをきっかけにハーブに興味をもってもらえたらと思って、プレゼントしました。

英国ではメディカルハーブとしての利用はほとんどありませんが、清涼感から、芳香健胃や鎮静作用を期待して、これから夏の暑くて食欲が落ちてしまうような時にはおすすめのハーブです。
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by saori_ishimaru | 2010-07-12 21:28 | Herbs

book:「草を褥に」

a0057830_72055100.jpg「草を褥に 小説 牧野富太郎」
大原富枝著
小学館

学生時代に「牧野日本植物図鑑」(白黒の学生版ですが,,,)を手に入れて、それを片手に野草観察、押し花の標本づくりを楽しんで以来、牧野先生の名前は常に頭の片隅にありました。植物画の展示を見に行ったり、学者としての功績などを聞きかじったりという程度ですが、研究者としての牧野先生のイメージを持っていました。

最近、ムジナモの発見場所が自宅に近いことを知り、また、高知の牧野富太郎記念館に行った友人の話を聞いたりして、再び興味が湧いてこの本を読んでみました。研究に没頭する彼を支えた奥さんや周りの人のエピソードなどから、牧野先生の人間味も感じられるお話でした。

始めはめちゃくちゃな方のようにも感じましたが、何かを成し遂げるというのはこういうことなのかなとも思うようになり、最後には大きなことをできるのはこんな型破りな人なんだろうと考えさせられた一冊です。
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by saori_ishimaru | 2010-07-09 07:22 | Books

Kava Kava

a0057830_7265440.jpg先日参加したトトラボのフィジーの報告会「フィジー、カヌーピープルの薬箱 Vol.2 〜南太平洋ハーブ調査レポート〜」より、カヴァKavaKava Piper methysticumを使ったセブセブの儀式を紹介します。

講師のしおさんは、東京都市大学の南太平洋地域薬用植物調査プロジェクトの一員として2度フィジーを訪ねています。

報告会では、まずフィジーの歴史や人々の暮らしぶりなどを紹介があった後、その昔カヌーで南太平洋の国々に渡ったカヌーピープルのことや、彼らが運んだカヌープランツの話を聞きました。取り上げた15種の植物の中には私にも馴染みのあるマンゴー、ココナッツ、ハイビスカス、レモングラス、ジンジャー、ウコンなどもあり、フィジーでの意外な利用法に耳を傾けながら用意されたドライマンゴーやココナッツなどをつまみました。

そして、最後にカヴァをつかったセブセブの儀式。
カヴァはひげ根がよいものだそうで、フィジーの市場では贈答用にラッピングされたものや、儀式のために粉にひかれたものが売っている様子を見せてくれました。
この儀式のために作られた大きな木の器の上で、カヴァの粉と水を混ぜるところから始まります。ココナッツのカップを使ってよくかき混ぜます。
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途中で、布をたぐり寄せ、できたカヴァジュースを絞り、出来上がり。濃さは好みか、いろいろあるそうです。
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この儀式は主に男の人が集まって行うもののようで、お客さまをおもてなしをする時にも行われます。参加者で、迎える側とお客様側に別れて、順番にココナッツカップを回して味わいました。味は思ったより飲みやすくて、舌や口の中にちょっとしびれた感が残りました。*併せてしおさんのブログもご覧下さい。

ちなみに、日本では現在、カヴァは「専ら医薬品」という分類に入っていて流通していません。肝毒性や皮膚障害が報告されているためです。(詳しくは厚生労働省の報告を)ただ本来、水やココナッツミルクに溶かして飲用するものだったカヴァを、アルコール抽出したり、成分を濃縮してサプリメントなどに加工したことによって起きている弊害だという指摘もあります。
*カヴァの安全性についてまとめたこちらのサイトも参考までにどうぞ。
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by saori_ishimaru | 2010-07-07 09:23 | Herbs

朝日新聞:『おおっぴら「医療」大麻』

a0057830_912275.jpg「マリファナ・ブック」
ローワン・ロビンソン著
オークラ出版

少し前になりますが、6月17日(木)付け朝日新聞朝刊に『おおっぴら「医療」大麻 危機感乏しい米社会』という記事が掲載されていました。いわゆる大麻Cannabis sativa(マリファナ)*に関するもので、医療用大麻という名目で大麻が容認されることでの米社会全体への影響やその危機感を訴えた内容でした。医療大麻が認められている14州のうちのひとつカリフォルニア州では、この11月に住民投票により用途を問わず大麻の合法化に関する是非と問うことになるそうです。

そもそも医療用大麻とは何かということに興味をもったので、上記の「マリファナ・ブック」を読んでみました。こちらは全編に渡ってマリファナ擁護の視点で書かれています。内容の信憑性をどう受け止めてよいかは定かではありませんが、精神作用については大麻が古代から宗教で用いられてきたことや過酷な労働をしいられた初期の移民や奴隷が使用していたことを示唆したり、航海時代の麻ロープを始め紙や繊維原料としてある時期まで大麻栽培が一大産業だった歴史と法制度の改訂に伴う産業の衰退を辿ったりしています。なんと20世紀初頭に大麻をつかったバイオマス構想が既に存在したとか。

そして医療における利用(緑内障、ガンの化学療法における副作用(嘔吐)の緩和、痛み、炎症、うつ、不眠症などなど)を挙げています。朝日新聞の記事によると、現在、カリフォルニア州では医療大麻の適用疾患を定めていないので、医師の指示があれば、大麻処方所から簡単に手に入れられるとか。これらの疾患・症状の全て当てはまることになります。

*このリンクは1931年にイギリスで出版されたMrs.Grieveの'A Modern Herbal'にて紹介されている大麻C.sativaにつながります。ここでは、20世紀初頭の記述であり現代医学には即していないという注意書きが添えられていますが、疼痛緩和と催眠作用があり、適用として神経痛、痛風、リウマチ、不眠などがあるとされています。少なくてもその時代のハーバリストにはそのように認識されていたことが伺えます。

a0057830_99740.jpgこのC.sativaは、大麻が合法であるオランダ・アムステルダム植物園で撮影したものです。大麻の合法化には賛否両論がありますが「マリファナ・ブック」によると、「オランダは、大麻の合法化に当たり、薬物乱用が起きる一要因であるドラッグ以外の社会問題(貧困、スラム街、人種差別、社会福祉授業へのアクセス)も重んじている」(本書より引用)そうです。

ちなみに「マリファナ・ブック」の巻末には、「日本の大麻」という付録がついていて日本人の生活に身近な(大)麻の歴史と利用法が紹介されています。江戸時代にはマグロをつるのにも麻を縒ったものが使われていたとか面白い話がいくつかありました。

植物療法ではヘンプオイルが注目され、私たちはその恩恵に授かっています。私たちに有用な植物だった大麻に危険な悪者のレッテルを貼られたのは、人間が使用法を誤ったから。「ヘンプ」として私たちの生活に再び浸透しつつある大麻を、今度は大切に使っていきたいです。
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by saori_ishimaru | 2010-07-04 05:34 | Books

熊本大学 Eco Pharma project

先日、仕事を通してご連絡いただいた熊本大学薬学部では、エコ・ファーマ Eco Pharmaというプロジェクトを進めています。薬学部が6年制になり、薬剤師の職域を広く捉え、学生を育成していく試みのひとつです。
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このプロジェクトについて伺った時に、「日本の薬学教育が公衆衛生を組み込んでいるのは、他の国にはない特徴」だと聞きいたことを思い出しました。経済発展とともに引き起こされた公害や現在の自殺率の増加などがわかりやすい例ですが、私たちの健康を維持し守るためには、人間としての体を診るだけでなく、取り巻く環境にも配慮が必要です。まさに、自然療法で考えられているミクロ(心と体)とマクロ(人間と環境)なホリスティックなアプローチに通じています。

このエコ・ファーマプロジェクトでは、学生さんを対象とした環境&医療先進国での国際プログラムも実施していて、今年も英国へ行かれるそうです。その中で、英国での植物療法の位置づけなども体験していただけたらなと密かに願っています。
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by saori_ishimaru | 2010-07-01 09:04 | Medicine