article:「ノコギリヤシ摂取者に抗コリン薬が処方された!」

薬剤師向けの医療雑誌・日経DI(ドラッグインフォメーション)のオンライン情報に『ヒヤリハット事例に学ぶ澤田教授の「育薬」道場』というコーナーがあります。今朝、こんな事例がアップされていました。
「ノコギリヤシ摂取者に抗コリン薬が処方された!」

ノコギリヤシはソウパルメット(Saw Palmetto)Sarenoa serrulataとも呼ばれ、ハーブ療法では良性前立腺肥大症の初期治療に用いられます。

この記事の主旨は、薬剤師として「ノコギリヤシときたら、抗コリン薬の服用に疑問をもつように」という注意を促すこと(*1)で、ノコギリヤシの摂取自体について、またその作用がどうこうということには触れていません。

一般的に薬剤師の方が興味をもつハーブの情報とは、正にこのような内容と質なのです。ハーブなどの植物療法に興味のある薬剤師はハーブの薬理作用や安全性という有効性に興味をもっていますが、多くの方はご自分で活用したいというよりは、情報として知っておき業務に活用したいという目的をもっています。

この記事を簡単に解説すると、
80歳男性が咳、痰がひどく去痰剤を服用していましたが改善されないため、追加でテルシガンエロゾル(抗コリン薬)処方されました。このときに、この患者がノコギリヤシを摂取していること(前立腺肥大症の可能性があること)を把握していなかったため、この吸入剤の使用により閉尿が起こり、救急外来を受診することになりました。その後、この患者は排尿障害がひどくなり前立腺肥大症であることが判明したという症例です。この時点でテルシガンエロゾルの投与が明らかになり、使用は中止になっています。

*1薬剤師にこの症例から3点の注意点を促しています。
1.投薬する際には、患者さんの病歴/健康状態をきちんと確認すること。
2.健康食品(ビタミン・ハーブ等)も含めた常用しているものや嗜好品の確認をすること。
3.ノコギリヤシと聞いたら、前立腺肥大を疑うこと。

ハーブと医薬品の相互作用についてはここ10年程で認知が高まりましたが、これからは患者さんがよく摂取されているハ−ブについての知識も深めていただけたらと思います。
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by saori_ishimaru | 2010-05-12 08:31 | Herbs
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