botanical garden:開聞山麓香料園

鹿児島の指宿温泉のそばに、日本で一番古いといわれているハーブガーデン・開聞山麓香料園があります。

以前はフランスから輸入していたラベンダーなどの天然香料(精油)を日本でも栽培できないかと考え、昭和16年に栽培を開始したのが始まりということです。そのときには、日本各地の数カ所で様々なハーブの試験栽培が行われましたが、ラベンダーは北海道、鹿児島はローズゼラニウム(Pelargonium graveolens)、レモンユーカリ(Eucalyptus citriodora)、芳樟(Cinnamomum camphora var.nominale Hayata)などが適しているということがわかり、大規模な栽培が始まったそうです。

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開聞岳の山麓に広がる広大な土地に、精油の精製工場、見学用のハーブガーデン、ハーブ畑、ショップ、レストランが併設されています。カフェでは、こちらで取れたハーブを使ったメニューが揃っていて、ショップでは苗や精油、天然香料のみで作られた香水、ハーブティーを販売しています。
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現在のようにアロマセラピーが盛んでなかった戦前、精油は主に香水の原料として用いられていました。こちらの香料園のオーナーが面白いエピソードを聞かせて下さいました。お父様がローズゼラニウムにであったきっかけは、戦前、西洋人の友人宅で汲取式のトイレのにおい消しに使っていたよい香りだったそうです。それから早速、種を取り寄せ、栽培をしてみたとのこと。その後、ご夫婦でヨーロッパを旅行された際、様々な芳香植物に出会ったそうです。
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敷地の奥に進むと、うっそうとした緑に覆われたパッションフラワーのトンネルが見えてきます。
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その先には、マグノリアの木を中心に、花壇が広がっていました。奥に並んでいるのが芳樟です。芳樟の精油は初めてでしたが、リナロールを多く含む優しい香りです。輸入自由化が進み、合成香料や外国産の安価な香料が主流になる以前は、高級な香料として取引されていたものだそうです。園内では、樹齢60年になる大きな木を見ることもできます。
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こちらはレモンユーカリ。今はちょうどお花が終わって、実を結んだところです。高さが20から30mにまで成長するそうです。乾燥した葉からは柔らかく爽やかな香りが漂います。
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また、同じくフトモモ科で精油原料になるカユプテ(Melaleuca leucadendron)も栽培されていました。
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冬場には精油の蒸留をするそうなので、ぜひまた見学にいきたいと思っています。

*園内の写真のリンク→
by saori_ishimaru | 2013-07-07 08:18 | Botanical gardens
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